著作人格権はこれを行使しないという契約書の条項は将来的に法令違反(憲法違反)になる可能性が極めて高い
最近の業務委託契約書雛形にあるような「著作人格権はこれを行使しない」というような条項は将来的に誰かが最高裁に憲法判断を求めれば法令違反になる可能性が極めて高いですね。
作った人がお金を払ってその作ったものを購入した人に対して
こんなひどい使い方はやめてくれ とか
この著作物の大切な事柄なのでこの部分は変更しないでくれ
とかが言えなくなると、その著作者の基本的人権それ自体が傷つくことになるからです。
いわゆる「動産」と呼ばれる家電や自動車などは、著作権法で規定された著作物ではありません。
著作物というのは、動産に比べてより「私的」であり「心情的」なものなので、自動車の外観を設計した人がその車をハンマーで壊されたり、車に変なペイントをされて滅茶苦茶にされるよりも、強く大きい痛手を心に受けるのです。
私たちの事務所はプロダクトの著作権は作った本人に帰属します。
社内規定で著作権の帰属に関する事柄を定めているからです。
この規定の無い会社では著作権は会社(法人)に帰属することになります。
いわゆる職務著作(誰かの指揮監督下で誰かが作った著作物の著作権はその指揮監督をした法人に帰属するというもの)という規定が著作権法にあるからです。
その著作権には隣接権としていろんな権利があります。
その中でも、著作人格権はお金を払って購入した人であっても譲り受けることができない原著作者が一生の間持ち続ける一身専属権なのです。
作った人の人格を守るために存在する権利の自由な行使を妨げる規定はあきらかに基本的人権に反するものです。