年頭所感 群衆に紛れず追従せず個性きらめく人でありたい
年頭所感
お金よりも名誉よりも快楽よりも自由を求める私の気質は父から受け継いだもののひとつである。
父は近隣との交流やNPOなど人との交流が広く社会性の高い人だった。
その反面、山芋、タラの芽などの山菜を採るために野山を歩くのを好んだ。
私はといえば、物心ついてからというもの、テレビが大好きだった。
とにかくテレビ番組が面白かった。
それほど大好きだったテレビを今は全く見ていない。
地デジ化を機にNHKとの視聴契約を解約した。CSなどの衛星放送も解約した。
その日からテレビを見ていない。
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何も考えず、社会の流れに従って生きることができたらどれだけ楽だろう。しかし、私にはできない。
思考力を失った群衆についていくことはできない。
社会はひとりの天才によって変わる。また、愚鈍な人々の努力でももちろん変わるのである。
2002年に、私はウェブアプリ開発の企業を創業した。
2010年にはスマートフォンアプリ開発に営業主体が大きく変わった。
それからもうすぐ10年がたとうとしている2017年、アプリ開発のプラットフォームというだけでなく、より大きな変化が始まった。
2000年代、オンプレミスで運用していたサーバやIPSなどのネットワーク機器をデータセンタに設置するようになった。
2010年代、長く続いたデータセンタを含むオンプレミスでシステム構築をするという手法が終わりをつげ、クラウドでシステム構築することが主流となった。
2018年、クラウドコンピューティングが終焉し、ブロックチェーンP2Pネットワークでシステム構築することが主流になっていくと予測する。
サラリーマン時代、私はサーバ管理者になりたくて、ついにサーバ管理者になったときは、実に嬉しく、実際楽しい毎日だった。
「サーバから煙が出ています。」
と、胸ポケットに入れたPHS(簡易携帯電話)に連絡が入ったりして、わくわくする日々だった。
オンプレミスからクラウドに推移し、いまではハードウェアを管理することはない。
そして、クラウドからブロックチェーンネットワークに移行すると、サーバ管理者という職種それ自体が必要ないのである。
ウェブアプリやスマホアプリといった利用者画面はそのまま残り、アプリがクラウドとREST APIで通信していたことが、ブロックチェーンネットワークのコントラクト関数をコールすることに変わる。
そこには、無停電電源装置とRAIDディスク等で多重化された「サーバ」と呼ばれたコンピュータは必要ないし、バックアップやデータ保護さえ必要ない。
そこにあるのは、スマホやパソコンと呼ばれた小さなコンピュータだけなのだ。
すべてのデータは世界中の小さなコンピュータが共有しているのだから。
データを数百億円かけ機密に集中管理しデータ保全に神経を使っていた時代が終りをつげる。
私はこれをコンピュータシステムが「自由」になるのだと感じる。
平成30年1月3日
ウェブバナナユナイト東京横浜
代表社員 水口洋一