会社員として一番嬉しかった出来事
会社員として一番嬉しかった出来事
その会社に入ったのは転職雑誌エンジニアリングtypeに掲載された一面カラーの募集記事を見たからだった。
履歴書を郵送すると連絡がきて、浜松町まで面接を受けに行った。
上場企業に応募するのは初めてだったし人生をかける気持ちで臨んだ。
その時面接してくれたのが常務取締役だった。
給料はそれまでの倍以上になると説明を受けて嬉しい反面本当に採用してくれるのかと実に不安だった。
入社したばかりの頃は年下の女性社員の手伝いでNotesをお客さんのパソコンにインストールしに藤沢まで行ったりした。
サーバ管理者がちょうど退職したところで運良くunixサーバの管理者になった。
強いエアコンのひんやりとしたサーバ室でひとりシステムログを眺めているときだけ緊張から解放された。
ある猛暑の夜、「サーバが燃えている」とPHSに連絡が入ったりしてとても楽しかったし、自分の居場所を確立して頼りにされていることが嬉しかった。
当初は、グループ会社の営業担当と一緒に引き合い案件先に顧客折衝に行ったりした。
次第に顧客に提案書を作ったり見積書を作ったりそれらを元に顧客折衝したり提案したりするのが大好きになった。
見積額を自由に決定させてくれたことを感謝している。
入社して半年から一年経った頃だったと思うが、初めて自分で取った数千万円オーダの仕事の稟議書を作って手持ちで常務取締役室に持って行ってその案件の内容を説明して決裁印を押してもらったときが一人の会社員として一番嬉しかったことだった。
面接で採用してくれた恩返しができたと感じた。
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