自由でいることへの憧れ
「あなたは大人しいね。」
子供の頃、大人たちから、そうよく言われた。
自分としては大人しくしているとは思っていない。
大人の中にはお喋りな大人がいて、その話を愛想笑いを浮かべながら聴いていた。
私はその人に「あなたは騒がしいね。」とは言わなかった。
毎日たくさんの大人に囲まれて育った。
父は兄弟がたくさんいて、父が旧家の後継だったため、家では常に大人たちが会話していた。
西洋的なつくりの住宅ではなく、広い部屋がたくさんある旧家だったため、子供部屋に閉じこもることもできず、そういう大人たちの会話を父の近くで聴いて育った。
そんな子供の頃は自分の意見をまとめて意識したことがない。
ただ、好きとか嫌いとか嫌だとか良いとか気持ちいいとか暑苦しいとか寒いとか美味しいとか、単に途切れ途切れの感覚を意識することしかなかった。
大人は体が大きく声も大きかったので、どの大人も怖かった。
だから、好印象を与えるように笑顔を作ったのだ。
「この人たち早く帰ってくれないかな」と毎日のように願った。
大人しいとか口数が少ないとか言われる自分が次第に嫌になってきた。
なんとか活発な子供に見られようと努力したりもした。
その頃の私の頭の中や心の中にあったのは「自由でいることへの憧れ」だった。
父は小学校の資料の父兄の職業欄に「自由業」と書かせるほど自由を愛する人だった。
何してるのと私が尋ねると、「宇宙船をつくってる」と答えたり、自宅の庭の大きな木の上に家を建てようとしたりするような人だった。
父の影響だと思う。
人から命令されたり、束縛されたり、管理されたりといったことが大嫌いだ。
金持ちになろうとか、贅沢品が欲しいとか、会社を大きくしたいとかいうことではなく、「自由でいること」を欲する。
自由でいられるならば、清貧であることを厭わない。
頭で考えてそうしているわけではなく、そうせずにはいられないのである。
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