令和四年 創業二十年を迎えるにあたり「人生の勝利とは」について考えてみたい。
私が初めてソフトウェアを開発したターゲット・デバイスは、米国製のVAXというコンピュータだった。
その頃はまだ米国がモノを生産できていた時代だったのだ。
今では米国も欧州も汗水流して泥くさくモノを作ることを放棄してしまった。アジアの国々が作るモノを安く買うことを選んだのだ。
金融という麻薬により、濡れ手に粟で、労せずにお金を稼ぐことを覚えてしまったのがその理由だ。
何も作らず、お金にお金を稼がせる仕組み、時間がお金を産む仕組みである。
多くの人々が誤解しているが、この世界のレギュレーションでは、お金を多く稼いだ者が「勝ち」ではない。
人に感謝されて亡くなってゆく人が勝ち(心が穏やかであり、晴れ晴れとし、すがすがしく、安心している状態を「勝利」という言語で表している。)。というのがこの世界のレギュレーションなのだ。
お金を稼ぐために生きている人やお金を溜め込んでほくそ笑む人は、常に自分の所有するお金が減っていないかチェックし、心配しながら日々暮らしている。
これは、勝利したという状態ではない。
お金というのは、自分がすべきことをすれば、後からついてくるものだし、お金で得た地位や名声は、社会が変われば、引き倒され、道を引き回されることになるのだという事を、1990年前後にロシアや中東で、私たちは見た。
人に注目されたいとか、宝くじでも当てて楽して暮らしたいとか、長生きしたいとか。そう考えるのは至極当然だし、特に若い時は自分のことしか考えられないのは普通のことだ。
年齢を重ねれば、「楽したい。」と考えていたのは、「身体」であって、「自分」ではなかったのだなと気づく時がくる。
百代の過客である私たちは、どちらにしろ、川に流れる水のように、移り変わってゆくものである。 ずっと永遠に流れを止めて生き続けることはできない。
人に愛されて死にたい。と言っていた石原慎太郎さんのように、小さなことであっても、社会を良い方に変えられたら、安心して暮らすことができる。
そして、おびえることなく死ぬことができるだろう。
死ぬ前ぐらい有名になりたいとか、死ぬ前に社会をあっと言わせたいとか、そんなことをして、あなたの心は落ち着くのか?
そういう人々は死んでも、ぐるぐると同じことを考え続けることだろう。
人が幸せな状態とは、頭の中が空っぽな状態のことをいう。
私の人生はこれでよかったのだと、落ち着いて家の天井を眺められる。
そういう最期を迎えたいものだ。
私にとってすべきこととは、中本智氏が発明したブロックチェーン・システムをすべての人の手に渡すことだ。
令和4年2月5日
合資会社ウェブバナナユナイト東京横浜
共同創業者
水口洋一
わたしがコンピュータの世界で生きてこれたことに感謝するとともに、30万ダウンロードを記録したiPadアプリ「システム手帳」をなぜ開発することができたのか?その理由をみなさんと一緒に解いていく内容となっています。
お手にとっていただければ嬉しい限りです。
ハケン適齢期 〜わたしが大ヒットiPadアプリを作ることができたすべての理由。〜 | 水口よういち | 労働政策 | Kindleストア | Amazon